おしゃべりな たまごやき
寺村輝夫 作
長新太 画
テレレッテ トロロット プルルップ タアー
ある国の、ある王さまのはなしです。
「あそぶのが、いちばんたのしいな。・・・どれ、おしろのなかを、ひとまわりかけてやるか」
王さまは、とっと、たった、と、はしりだしました。
にわとりごやがありました。
なかには、にわとりが、ぎゅうづめになって、こけっこ けっけ と、ないていました。
「おお、かわいそうに、これじゃあ、きゅうくつで、あそぶことも できないね。よし、王さまが、とをあけてやろう」
みると、かぎがさしたままになっています。きっと、コックさんが、しまうのをわすれたのでしょう。
「よし、よし、まってろよ」
王さまは、かぎを、がちゃりとまわしました。
すると、ぎゅうづめのにわとりが、とをはじくようにして とびだしてきました。
「わあっ、たいへんだ」王さまは、びっくりして、にげだしました。
にわとりたちも、王さまのあとから、こけっこ けっけ と、かけだしました。

ぞうのたまごのたまごやき
寺村輝夫 作
長新太 画
王さまに、「なにが 一ばんすきですか」ときいたら、
「たまごやき」とこたえました。
王さまのうちに、あかちゃんが、うまれました。
まるまるふとった、たまごのようにかわいらしい、王子さまでした。
王さまは、すっかりよろこんで、
「おいわいをしょう。国じゅうの人たちを、おしろにあつめて、うんとごちそうにしてあげよう。」
「ごちそうは なににしましょうか、王さま」といいました。
王さまは、
「ごちそうは、たまごやきにきまってるさ。」
といいました。が、たいへんです。
国じゅうの人があるまるんですから、たまごは、いくつあってもたりません。
なん百、なん千もいるんです。
ホウだいじんは、いいました。
「ほかのごちそうで、まにあわせましょう」
王さまは、これをきいて、おこってしまいました。
だいじんが、こまっていると、こんなことをいうのです。
「じゃあ、ぞうのたまごをもってくればいいではないか。
ぞうのたまごなら、大きいからいいよ。あったかいのが、みんなでたべられるよ」
ワンだいじんは、ポンっと手をうって、いいました。
「ほほう、では、すぐに、けらいにいって、ぞうのたまごを七つか八つ、みつけてこさせましょう」
・・・・・

てんぐのかぼちゃ
寺村輝夫・作
梅田俊作・絵
むかしは、かわった てんぐも いたものです。
あるとき、山おくの村に、てんぐが やってきました。
「おうい、みんな、あつまれい」
てんぐが いうと、人びとは びっくりして、
にげだそうとしました。
てんぐは、
「おれは、わるい てんぐじゃ ないよ。
みんなに うまい さかなを ごちそうしてやる。
わらを たくさん もってこい」
「いまから、わらを のぼって、
あまの川で つりを してくる。
あまの川の さかなほど うまいものは
ないからな」
なむなむ さんぽう
なむ はらりの ほい
てんぐが いったら、
わらが ほいっと つったちました。
村の人たちは、おきな口を あけて、
空を みあげて いました。
しばらくすると、
てんぐと いっしょに、
さかなが おりて きます。
だいくの さぶが いいました。
「やい、やい、てんぐ、
こんな ばけもの くえるもんか」
さぶは、てんぐに べちっと
つばを はきかけました。
さすがに てんぐは おこりました。
「さぶのやつ、いまに みてろ」
・・・・・

まいごに なった ぞう
てらむらてるお・ぶん
むらかみつとむ・え
ぞうの あかちゃんが
まいごに なりました。
「あばば、うぶー。」
きりんが みつけて、
「ぼうや。どこから
きたの。」
きくと、あかちゃんは
いうのです。
「あばば、うぶー。」
かわに かばが いました。
「おや、ぞうの こだね。
どうしたの?」
「あばば、うぶー。」
「あそんで いないで、
はやく おかえり。」
「あばば うぶー。」
「わにに
たべられちゃうよ。」
「あばば うぶー。」
かわぎしに
わにが
ねて いました。
・・・・・

あなに おちた ぞう
てらむらてるお・ぶん
むらかみつとむ・え
おおきな おおきな あなに、
おおきな おおきな ぞうが
おちました。
さあ、たいへんです。
「たすけてくれ。」
さるが きました。
「たすけて あげよう。」
きつねが きました。
さるが いいました。
「いっしょに ひっぱろう。」
「ああ いいよ。」
よいしょ よいしょ。
でも、
ぞうが おもたいので
ひっぱりあげる ことが
できません。
「もっと もっと、ちからの
つよい もの いないかな。」
・・・・・

らいおんの がお
ぶん・てらむらてるお
え・ただひろし
らいおんの がおが おおきな こえで いいました
「おおい みんな ぼくと あそぼう
あそばないと たべちゃうぞ」
らいおんの がおは いじめっこ
だれも あそぼうとは しませんでした
らいおんの がおが ばななを ひろいました
「ばななを たべさせれば だれかが
あそんで くれるかな」
らいおんの がおは うさぎに あいました
「ばななを あげるから あそぼう」
うさぎは こわがって にげだしました
「こらっ にげると たべちゃうぞ」
・・・・・
