妻イエラ・マリと夫エンツォ・マリの
理性によって描かれた美しい絵本は数少ない。
自然の移り変わりを、シンプルでありながら
細部に凝った絵だけで表現しています。
この素晴らしい絵本は、言葉では伝えられない。
イエラ・マリ
Iela Mari
1932年 イタリア ミラノ生まれ。
妻のイエラ・マリはグラッフィックデザイナー。
子どもに向けての視覚伝達をテーマに研究を続け、
玩具や絵本の開発を手がける。
エンツォ・マリ
Enzo Mari
1932年 イタリア ノヴェラ生まれ。
夫のエンツォ・マリはイタリアを代表するデザイナーです。
３次元空間の知覚と知覚的構造の構造に興味をもち、家具のデザインも手がける。
また、幼児教育にも関心を持ち、
現代社会の中で視覚心理学の研究者としても広く知られています。
りんごとちょう
蝶が りんごの花の中に卵を産みつけ
生長して、蝶になり
再び花の中に卵を産むまでを描いたものです。
にわとりとたまご
にわとりの誕生から卵が生まれるまでの絵本です。
表紙に、にわとりの足が クローズアップで描かれています。
足の付け根の羽毛のは黄色い羽が混ざっています。
こ
表紙を開くと、ほとんど同じ構図のにわとりの足が描かれています。
足の付け根の黄色い羽毛は すっかり なくなり、
足も 太く大きくなり、色は やや黒ずんでいます。
卵が産み落とされた後には、
真っ黒い画面に卵だけが描かれる。
めんどりが卵をあたためる場面。
ヒヨコの誕生。
ヒヨコの生長は、形と同時に羽毛の色に表されています。
最後のページには黄色い羽毛の中に、
成鳥の黒い羽毛がしっかりと描き込まれています。
そして、表紙を見ると、その連続性がわかります。
