天動説の絵本
—てんがうごいていたころのはなし—
安野光雅
北のほうのある天文学者が、
「地めんはまるい。そして、天の星が動くのではなくて、わたしたちのたっている地めんのほうが動くと考えたほうがいい」といいはじめました。
大地がまるいですって?
たしかに船のりたちもそういっていました。
でも、もしほんとうにまるかったとしたら、
はんたいがわにいる人たちは、いつもさか立ちしているのでしょうか。
木はこずえが地めんについていて、根っこが天にむかってのびているとでもいうのでしょうか。
とてもはんたいに人がすんでいるとはおもわれません。
それに、地めんがまわっているのですって?