ちいさな ヒッポ
マーシャ=ブラウン さく
うちだ りさこ やく
ヒッポが かばの ことばを
おぼえるときが きました。
「グァオ、たすけて!」
「グァオ、たっけて!」
「いいかい、ヒッポ、グァオが
とても だいじなのよ。」
ヒッポは なんども なんども
グッ グッ グァオと れんしゅうしました。
なみひとつ たてずに、
金みどりの目が すべりよってきました。
わには、ヒッポを ぐいぐい
ふかい 水の そこへと
ひっぱりはじめました。
「グッ グッ グァオ!
たすけて!」
おかあさんかばは、ヒッポの さけびごえを ききつけました。
がばっと おきあがり、ほえました。
「グァオ、ヒッポ! グァオ わに!」

おひさまいろの きもの
作・絵 広野多珂子
あるむらに ふう という おんなのこが いた。
ちいさいときに おもい びょうきをして、なにも みえなくなってしまった。
ふうは なかよしの さっちゃんと たみちゃんと やくそくしていた。
「あきまつり さんにんで いこうね」と。
たみちゃんの あきまつりの きものの ぬのを おる おとが きこえてきた。
「いいな。」
ふうには わかっていた。
ぬのを おる いとを かえそうも ないことを。
それでも、ふうは かえりみち ずうっと おもいつづけた。
「ふうも あたらしい きものを きて あきまつりに いきたい」
「わかったわ」
「かあさん、ふうは おひさまのように あたたかい いろの きものが いいな」

かあちゃんのせんたくキック
平田昌広 文
井上洋介 絵
がぁー がががが
きょうも また
おんぼろ せんたくきが
うごかなくなった。
ぼくは にやっと わらって
せんたくきから はなれた。
かあちゃんの でばんだ。
せんたくキック!

おかあさん だいすき
訳・編 光吉夏弥
おかあさんの たんじょう日
文と絵 マージョリー・フラック
あるところに、ダニーという おとこの子が いました。
きょうは、おかあさんの たんじょう日です。
「おはよう、めんどりさん」
「おかあさんの たんじょう日に、なにか あげる もの ないかしら」
「こっ、こっ、こっ」と、めんどりは いいました。
「それじゃ、わたしが うみたての たまごを ひとつ あげましょう」
「でも、たまごなら、もう あるの」
「それじゃ、いっしょに なにか さがしに いきましょう」と、めんどりは いいました。

だいすき ひゃっかい
村上しいこ◎さく
大島妙子◎え
おそとは くらくなったけど、
はるなは ねむくありません。
「ねえ おかあさん、なぞなぞしょう」
「いいけど、いっかいだけよ」
「やったあ、あのね、ねるまえに
はるなが いくのは どこでしょうか!」
「ええ? むつかしいな。そうねえ・・・」
「わかった。せんめんじょでしょ。
はみがきしないと、
ばいきんおにが やってくるぞ」
「ぷーっ! はずれ、
もう ちゃんと はみがきしたよ。
ほら みて、こんなに ぴっかぴか!
くまさんも わにさんも みがいてあげたよ」
・・・・・

おかあさん、げんきですか。
後藤竜二・作
武田美穂・絵
母の日なので、てがみをかきます。
「おかあさんに、かんしゃの てがみをかきましょう」
と 先生がはりきっているから、がんばってかきます。
「ぶたごやみたい!」
とかいって、ぼくのへやをかってに そうじしないでください!
ぼくは、ぶたではありません。
にんげんです。

ママがおうちにかえってくる!
トメク・ボカツキ=絵
ケイト・バンクス=文
木坂 涼=訳
パパは ごはんの じゅんびを はじめる。
エプロン つけて きゅっと むすぶ。
まちは プップー! くるまで こんざつ。
ママが しごとから かえってくる!
ふたりが おもちゃを かたづけて、
ねこは いぬを ぺろぺろ おそうじ。
まっすぐ いえへ いそぐ あし。
ママが しごとから かえってくる!

おかあさんの あんでくれたぼうし
スゥェーデンの おはなし
絵 大澤昌助
あるところに、アンデルスという、とても きれいな ぼうしを もっている おとこの子が いました。
それは、おかあさんが あんで くれた ぼうしでした。
ごてんの ぶどうかいへ・・・
おうさまは アンデルスの ぼうしを みて、にこにこして いいました。
「ほ、ほう、すてきな ぼうしを かぶって いるな!」
「でも、みんなが ほしがって こまるんです」
「わしのと ちょっと とりかえっこ しようじゃないか」
そして、きんの かんむりを とって さしだし、かたてで アンデルスの ぼうしを とろうと しました。

おんぶは こりごり
アンソニー・ブラウン 作
藤本朝巳 訳
「ママ、ゆうごはんは、まだかい」
みんながゆうごはんをすませると、
ママは、おさらあらい・・・
せんたくをして・・・
アイロンをかけて・・・
それから、あさごはんのよういもします。
ある日のゆうがた、こどもたちが、学校からかえってくると、
「おかえり」と、いってくれる人がいませんでした。
「しかたがない、ごはんをつくるか」
でも、よういするのは、たいへんでした。
それに、ひどい味でした。
つぎの日も、つぎのばんも、また、そのつぎの日も、
ママは、かえってきませんでした。
まもなく、家は、ぶたごやのようになりました。

あそぼう あそぼう おかあさん
浜田桂子 さく
だっこマシン
ポン、スイッチ いれました。
だっこ して ください
ギッ ギッ ギッ
ギュー ギュー ギュー
きゃー! きつすぎるよー
ガッタン
ふ~
ポン、スイッチ
よし
もう いっかい
ポン、
スイッチ
あれ?
うごかない
ポン、
スイッチ
ギー ギー ギー
きゃあ!
キュッ
ああ やっと だっこしてくれた
