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あふれる心の絵本 くすのきしげのり

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Life ライフ

作=くすのき しげのり
絵=松本 春野

おばあさんは、息をのみました。

それはまるで、
おじいさんの花畑に立ったようでした。

こぼれんばかりに花がさいているそれぞれの植木ばちには、
メッセージカードがそえられています。
おじいさんの花の種を持ってかえった人が、育ててさかせた花を、
一はち、二はちと持ってきたのです。

おばあさんが悲しみにしずんでいるあいだにも、
冬は過ぎ、春は来ていました。

おこだでませんように

くすのき しげのり・作
石井聖岳・絵

あーあ、ぼくは いつも おこられてばっかりや。

きのうも おこられたし・・・、
きょうも おこられてる・・・。
きっと あしたも おこられるやろ・・・。

ほんまに ぼく、「ええこやねえ」って いわれたいんや。
けれど、おかあちゃんも せんせいも
ぼくを みるときは、いつも おこった かおや。

ぼくは どないしたら おこられへんのやろ。
ぼくは どないしたら ほめてもらえるのやろ。
ぼくは・・・「わるいこ」なんやろか・・・。

ボクは「弱虫」だったから

作:くすのき しげのり
絵:CAN、江口ノリコ

ここは、ワニたちが くらす せかい。

「弱虫」の、そう、弱虫で なきむしの ちいさな ワニの こどもが いた。

あるひの ことだ。
それは、たいようが いちばん たかくなったとき。
むくむくと あらわれた くろい くもが そらを おおった。

ふりだした あめのなか、たちあがった ビビリは、
そらに むかって なきながら さけんだ。

「どうして ボクは、『弱虫』なんだよーっ!」

そのときだ。

ゴロゴロ ピカピカッ

バリバリ バリッ

ドーン!

おおきな かみなりが おちた。

オレは「最強」だったから

作:くすのき しげのり
絵:江口ノリコ、CAN

なんと!
キングは、「弱虫」でなきむしのちいさなワニ、
ビビリのからだにいれかわっていまったようだ!

「おい、ビビリ、さかなを とってこい!」

(くやしい! くやしい! くやしい! こんなのは、もういやだ!!
ほんとうの オレは、キングなのに。オレは、「最強」だったのに!)

(オレが キングだったとき、まわりのものたちは、
なんでも オレの いうことを きいた。さからうものなど いなかった。
・・・しかし、よわいものたちは、こんなに いやな きもちだったのかもしれないな。)

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