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林木林の 人気えほん

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ねばらねばなっとう

作 林木林
絵 たかおゆうこ

うめぼし ころがし たまころがした

たまのりもいいね ちょいとのるか

なっとう なっとう

なっとう なっとう なっとう

この絵本は替え歌絵本です。
童謡『静かな湖畔』のメロディで歌って、読んでください。

なっとうがっしょうだん による
しずかな ごはん

1
しずかな ごはんの つぶの かげから
ねばねば ねばねば ねばらねば
なっとう なっとう なっとう
なっとう なっとう

2
しずかな ごはんの うえの かけたら
たべねば ねばねば ねばらねば
なっとう なっとう なっとう
なっとう なっとう

バナナンばあば

林木林・作
西村敏雄・絵

バナばあ、ナナばあ、ナンばあは、
バナナンばあばの 3しまい。

みんな ひとつに つながって
なかよく くらしています。

きょうは とっても いい おてんき。
3にんは ならんで にわを みています。

「あたしゃあ おんせんに いくよ」
「わたしゃ くだものやに いくったら」
「わたしは みなみのしまへ」
みんなが すきなほうへ いこうとしたので、

ピシ~ン!
とうとう きれてしまいました。
「バナナンてこったい!」

・・・・・・・・・・・・・・

さあ バナナンばあばの 3しまい べつべつに くらすのかな?

あかり

林木林 文
岡田千晶 絵

あたらしい ろうそくが いま、
はじめて 火を つけてもらいました。

うまれて はじめて てらしたのは、
うまれて まもない あかちゃんと、
しあわせそうに わらっている かぞく。

・・・・・

火を つけてもらうだび、
女の子は だんだん せいちょうして
大きくなっていきました。
ろうそくは 火を もやすたび、
すこしずつ すこしずつ
小さくなっていきました。

・・・・・

さいしょは しあわせな ときを てらす あかり だったのが、
いつしか つらい ときに よりそう あかりに なっていました。

・・・・・

ひだまり

林木林 文
岡田千晶 絵

トラピスが 大きなあくびを しながら ねころがると、
やわらかな ひだまりが そっと からだを つつみこんだ。

ねこたちが、さかなを くわえて はしってくるのが みえた。

「おっ!きょうの ひるめしが やってきたぞ」
トラピスが にやりと わらうと、
ねこたちは さかなを ほうりだして いっせいに にげた。
・・・・・

いつのまにか となりのまちまで やってきていた。

1ぴきの みけねこが じぶんの さかなを なかまたちに わけてやっているところだった。

トラピスには しんじられなかった。
「なにやってんだ?」
「あのう、シッポしか のこってないんですけど、よかったら・・・」

いままで だれかに「たべろ」なんて いわれたことがない。
なんて やさしいんでしょう。
そう おもった。

北風が はげしく ふきあれた日、
けわしい目つきの くろねこが
どこからともなく ふらりと やってきた。
トラピスは くろねこを にらみつけ すごんだ。
「ここは おいらの ばしょだ。あっちへ いけ!」

いきおいよく くろねこに とびかかる トラビス。
きばを むき、つめを だし、ひっかきあい もつれあう。

ところが・・・

くろねこが トラビスを なげとばした。

そんな ばかな—。
くやしさと かなしみに おしつぶされて うごけない。

・・・・・

おおきな けやき

林木林 作
広野多珂子 絵

もりの なかに たくさんの きが せいくらべしながら たっていました。
この ふゆ さいごの さむさが やってきた ひ・・・・・

どどどど どど どっすーん!

もりで いちばん せの たかい けやきの きが たおれました。
もりで いちばん としを とっていたのです。

・・・・・

それから なんども はるが めぐってきました。
あたたかな ひだまりの なかで たくさんの くさばなたちが
けやきの からだを つつむようにして すくすく そだちました。
けやきは まいにち それを ながめながら すごしました。

「わしは そらの たかい ところを みるのが
いちばん すばらしい ことだと おもっていた。
わしが たっていた この つちの うえも
こんなに すばらしい ところだったと いうのに」

・・・・・

じめんに よこたわったまま
みんなを みあげながら けやきは しずかに つちに なりました。
けやきの いた ばしょに あたらしい きのめが うまれてきました。

二番目の悪者

考えない、行動しない、という罪

林 木林/作
庄野 ナホコ/絵

これが全て作り話だと
言い切れるだろうか?

来る日の来る日も、金のライオンは,
銀のライオンの悪い噂を広めて歩いた。

金のライオンが書いたメールがシカに届き、
すぐにリスに転送されていた。
「シカくん、銀のライオンには気をつけて下さいね」
「リスくん、銀のライオンに用心してね」
メールは丘を越え、森を越え、渡り鳥のむれを越え、
またたく間に広がった。
遠くの鳥に住むペンギンまでもが、怖がるようになった。

黄金の稲穂の輝きが地平線をおおうころ、
新しい王様が誕生した。

それは、金のライオン。

「私に かかわる すべてを黄金に輝かせよ!」

新しい王様は好き勝手に国を治めた。

・・・・・
・・・・・

丘の向こうから時折、ゆらめく炎が上がる。

「どうして この国は、
こんな ことに なってしまったんだろう」

「ほんとうに、
金のライオンだけが悪かったのか・・・?」

はるか頭上を過ぎ行く雲は、今日も呟く。

「誰かにとって都合のよい噂が
世界を変えてしまうことさえある。

だからこそ、なんども たしかめよう。

あの高く そびえる山は、本当は山なのか。
この川は、まちがった方向に流れていないか。
皆が歩いて行く道の果てには、何が待っているのか」

雲の切れ間から、済んだ光が地上を照らした。

しかし荒れ果てた大地には、もう誰の姿もなかった。

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