とにかく さけんで にげるんだ
ベティー・ボガホールド 作
安藤由紀 訳
河原まり子 絵
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おじさんは、わたしをたすけおこしていった
「けがをしたの?どれ、みせてごらん」
それからおじさんは「いいこ、いいこ」って、わたしのせなかをたたいた
わたしはそんなことされて、いやだった
おじさんは、わたしのからだを、あちこちさわってきた
せなか、むね、あし、からだじゅうぜんぶ
おじさんは、わたしのまたのあいだも、さわろうとした
すごくこわくて、いっしょうけんめい手ではらった
わたしは「やめて!」とさけんだ
そして、できるだけはやく走ってにげた
おじさんは、うしろからよびとめた
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6つのお話があります
女の子の性被害だけではなく、男の子が誘拐されそうになる場面もあります
●子どもたちに教えておいてほしいこと
①つかまえられたり、さわられそうになったら、叫んで逃げること
子どもと一緒にしぐさを交えてやってみてください
②自分や親の名前、自宅の電話番号や住所を見知らぬ人には教えないように
③だれかが「プレゼントをあげる」といってきたとき、どうすればいいか
④だれに助けを求めたらいいか、どこへ逃げたらいいか
⑤たとえ相手が大人でも、いやなことをされたら「いや」という権利が子どもにはあること
⑥なにか事件にまきこまれたとき、たとえ「だれにもいうな」と口止めされても、いつでも親や信頼するまわりの人に相談していいのだということ
●性被害のサイン
次にのべる兆候のなかで、2つ以上が見られたら、思いきって、ふつうには起きないようないやなことが起きたのではないか、子どもにたずねてみてください
もし、何でもないと答えたとしても、とがめたりしないでください
①それまでは大好きで信頼していた人に対し、その人がそばにくると落ち着かないようすを見せたとき
②その子が知るはずのない性的な行動について、急に話をはじめたとき
③それまでになかったような性器について関心を見せはじめたとき
④ひどく恥ずかしがったり、不機嫌になったり、おびえたり、急に泣きだしたり、まとわりついてきたりというような、情緒的に問題と思える行動を見せたとき
⑤トイレ、睡眠、食事などの行動に、重要な変化があったとき
●子どもが性被害を受けてしまったとき
①まず、子どものいうことを、全面的に信じてください
子どもが性被害についてうそをつくことは、めったにありません
②冷静でいてください
過度に感情的、暴力的な反応は、子どもの心を混乱させます
③子どもには「あなたはちっとも悪くなかった」ということ、そして「心配しなくていい」ということをはっきりと言葉と態度で示して、安心させてください。
④子どもを援助してくれる専門家や専門機関(巻末参照)をさがしてください
⑤加害者を告発してください
●話しあうことが予防の力に
この絵本を読みながら子どもと話をするとき、体の部分の呼び方は、俗称ではなく正確な名前を使うようにし性器はペニス、女の子の性器はワギナ、おしりの穴は肛門やアナルというように
正確な名前を使うことによって、大人たちも冷静に話ができ、子どもたち自身も自分の体について、いやだと思うさわられかたについて、会話の糸口をつかむことができるのです
それは、性被害をまぬかれるために、とても効果があります
子どもたちは、自分の親とはなんでも話し合いたいと思っています
そして、ふつうには起きないような困った事態に直面したとき、なるべく自然に親に相談したいと思っています
この絵本を親子で読んで、性被害について、またそれを未然に防ぐための智恵を話し合うことにより、子どもは親の考えを共有していけるのです
ぜひ覚えておいてほしいのは、こういったことについて親と話ができる子どもは、被害にあいにくく、自分を守れる子どもだということです
親子で話をする材料に、どうぞこの絵本を活用してください
上記は、全てとても大切なこと、大人でも、むずかしい知らないと思ったので、本より写しました
お許しください