第一話
くにのはじまり
赤羽末吉 絵
舟崎克彦 文
神々は お能碁呂島(おのごろしま) へおりると
りっぱな御殿(ごてん)を きずき
たくさんの神々を世に送ったが
伊邪那美の神は、さいごに生んだ
火の神のために やけどを負うと、
あわれ死者の国―黄泉(よみ)へ
悲しみのあまり伊邪那妓の神は
はるかな黄泉の国 女神を たずねた
・・・・・
「よくも わたくしの みにくい
すがたを みましたね」
・・・・・
伊邪那美は
「これから
一日に千人ずつ しめころしてやります」
伊邪那妓は
「一日に千五百人ずつ
子どもを生ませてやる」
第二話
あまのいわと
赤羽末吉 絵
舟崎克彦 文
神の末っ子の須佐之男(すさのお)は
あらくれもの
姉 天照(あまてらす)の
神田(しんでん)をふみにじり
神殿(しんでん)には くそを まきちらす
天照(あまてらす)は、
天の岩戸(あまのいわど)という
どうくつに 身を かくすと
出て こようとは しなかった
天照は日の神である
世の中は まっくらやみ
・・・・・
第三巻
やまたのおろち
赤羽末吉 絵
舟崎克彦 文
「・・・・・
やまたのおろち ともうす
おぞましいものが
七人の娘を つぎつぎに
のんで しまったので ございます
さいごに のこりました この娘も
おろちに のまれてしまうさだめ」
・・・・・
「村びとに めいじて
八たび かもした酒を こしらえさせよ」
夜が くれると
おろちは八つの頭で
八つの かめに とりつき
おろちは よい つぶれ
・・・・・
いびきを かきはじめた
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