根っこの こどもたち 目をさます
え ジビレ・フォン・オルファース
ぶん ヘレン・ディーン・フィッシュ
やく・へん いしい ももこ
春がやってきました!
虫たちは、うたったり とびはねたりしながら、じめんのしたから じめんのうえに でていきました。
それに つづいて、根っこのこどもたちが、さかを のぼって いきました。
ちょうちょのくに
ジビレ・フォン・オルファース 作
秦 理恵子 訳
とおい とおい はるかな くにで
しあわせに くらす ちょうちょたち
さなぎのこどもは まいにち
ダンスも ならいます
せんせいは とんぼのおねえさん
ほそい はっぱの くきのうえ
あるいて わたって
そうして おどりを おぼえます
ねっこぼっこ
ジビレ・フォン・オルファース 作
秦 理恵子 訳
「さあ おきなさい こどもたち
もうすぐ 春が やってくる」
ねっこぼっこは うーんと せのび
くしゃくしゃの かみ なでつける
すばやく したくを ととのえて
じぶんで ぬうよ 春の ふく
はりと はさみと ゆびぬき つかい
どんどん しごとを すすめてく
森の おひめさま
ジビュレ・フォン・オルファース 作
泰 理絵子 訳
ひかる あかりを きらめかせ
星の こどもが やってきます
森の おくへと てらします
おうちへ かえる みちしるべ
きょうも たくさん
わらって あそんだ
かぜさん
作 S・V・オルファース
訳 さがの弥生
かぜさんは、
木のえだに こしをおろして、
ひとやすみ。
あそびたがりやの かぜさんは、
はずみをつけて
とびおりる。
すると ほら、
・・・・・
ジビレ・フォン・オルファース Sibylle von Olfers
1881年、東プロイセン生まれ。
貴族の家柄に生まれ、早くから絵を習う。
20代半ばで、修道院に入った後も絵を学びつづけ、その後、美術教師をしながら宗教画、絵本の制作を続ける。
肺病を患い、1916年突然の発作で34歳で世を去る。
自然への曇りのない目を、それをユーモラスな詩や物語にして優しく語りかけるオルファースの残された絵本は8冊と少ないが、どれもドイツ古典絵本の傑作として長く読みつがれている。