ケイティのはじめての美術館
ジェイムス・メイヒュー 作
西村秀一 訳
結城昌子 監修
ピエール=オーギュスト・ルノワールの『雨傘』という作品です。
絵の中に、大きな輪をもっている女の子がいました。
「この子とあそべるかしら?」
ここにも、「手をふれないでください」と、かいてありましたが
ケイティは、かまわず絵の中に入っていきました。
ふたりは すぐに なかよしになり、
輪をころがして、あそびはじめました。
でも、たいへん!
ケイティが あんまり強くころがしたので、
輪は絵の外に とびだして しまいました!
「さがしににかなくっちゃ!」
ケイティとイギリスの画家たち
ジェイムス・メイヒュー 作
西村秀一 訳
結城昌子 監修
とても気にいった絵が見つかりました。
それは、羊飼いの少年と羊がいる
ジョン・コンスタブルという人がかいた、
『麦畑』という作品です。
「あの子のおしごと、おもしろそうね。
わたしも羊飼いになりたいな」
ケイティが そうつぶやくと、おどろいたことに
少年が話しかけてきました。
「すっごく、きついしごとだけど、やってみる?」
・・・・・
ケイティのゆかいな水あそび
ジェイムス・メイヒュー 作
西村秀一 訳
結城昌子 監修
ドッボーン!
水の中におちてしまいました。
「まあ、わたしのドレスが・・・。
どうやって、かわかせば いいかしら?」
ブルーデンスは、なきだしそうです。
「たぶん、あの人が たすけてくれるわ」
ケイティは、カミーユ・ピサロという人がかいた『洗濯を干す女』という絵をさしていいました。
せんたくしていた女の人は、とても しんせつでした。
ケイティとスペインのおひめさま
ジェイムス・メイヒュー 作
西村秀一 訳
結城昌子 監修
そのとき、だれかのわらい声がきこえてきました。
それは絵の中の少年でした。
「ムリーリョ作、『手すりにもたれる少年』マルガリータが読みあげました。
「きみたち、鳥をさがしてるのかい?こっちにとびこんできたよ」少年がおしえてくれました。
そこでふたりは、ちょっと きゅうくつでしたが、小さな絵の中に入っていきました。
すると、「ぼくにいい考えがある」少年がふたりに ささやきました。
そして、かたくなったパンのかけらをくだいて、ゆかに まきました。
「これ、ぼくのありったけさ。うまくいけばいいな」
プルーマはパンくずを見つけて、まいおりてきました。